Tuesday, April 21, 2009

Shinji Murakami























Final Quest , 2009
stamp marker and varnish on wood panel 350 x 350 mm


今回は僕の作品の紹介です!
ブログの右側にもいろいろ書いていますが、NYに来た一番の目的はコレです。

僕の作品は「テレビゲーム」です。
かんたんに説明すると、FFやドラクエのようなRPGゲームのマップを表現しています。
名前は「ファイナルクエスト」といいます。


テレビゲームの影響を多大に受けている、その理由は単純です。
ファミコンが大好きだったからです!
特に好きなものは「ゼルダの伝説」シリーズです。
アクション性、謎解きのバランス、世界観などどれをとっても抜群のクオリティです。


















ゼルダの伝説 1986

二十歳でアートに生きる決心をしてから2年後の夏、
「木のアイコンを一つ作って並べたら、森のマップが作れる!」という閃きがありました。
そして作り始めたのが「ファイナルクエスト」シリーズです。























Forest , 2004
stamp on wood panel 227 x 158 mm

上の作品が今の原点といえる作品です!

当時「ファイナルクエスト」を売り出そうと自分なりにがんばりましたが、
現実は甘くないので大した反応も得られませんでした。
そして、
新たな表現を求めて長い思考錯誤が始まりました、、、
























Swords , 2004
acrylic and varnish on wood 910 x 910 mm

ベジェ曲線だけで表現する方法。 線の太さ、角度など極限までバランスにこだわりました。
























Future Caterpillar , 2005
oil on canvas 273 x 220 mm

次はフリーハンドによる新しいバランスにチャレンジ。
この時期からドット、ベジェ曲線によるデジタル画像表現のミックスに試んでいます。



















Daikanyama, Tokyo - 2007

ストリートに夢中だった頃、凹ちゃん(ボコちゃん)が生まれました。
名前の由来は凸凹(デコボコ)の凹と形が似ているからです。 名づけ親のゆっきーに感謝。




















2007年末から約1年間はVJに夢中でした。

以上、数年間にわたる表現の蓄積は才能の多彩ぶりを表す手段となるはずでした。
しかし、いつの間にか逆の効果を持ちはじめた事に気づきました。
それは表現の多角化により、
「Shinji Murakami」というアーティストの個性が分かりにくくなったということです。

そして2008年。
自分を一言で表現できるくらいのシンプルさが必要だと一大決心をします!



















” テレビゲーム・アート ”
というテーマの元に、蓄積した表現をファイナルクエストに落とし込む方法を発見!

それぞれの表現は全く関係なく出来上がったものだったのに、
サイズを揃えるだけでここまでうまくまとまるなんてビックリでした!
偶然なのか必然なのか、とっても不思議な発見でした。

僕の作品を語る上でもう一つ大きな要素があります。
” 3大デジタル画像表現のミックス ”
ドット、ベジェ曲線、フリーハンドというデジタル時代の画像表現の混在です。
僕の作品には色がありませんが、
これらの微妙なバランスの違いをスパイスにしています。

僕が戦おうとしている現代アートの世界は、作品の背景が勝敗を決めます。
見た目も大事ですが「閃き勝負」的要素の方が多いかも。。
2004年に生まれたファイナルクエストも、イイ感じで分厚くなってきました。


これからもいろいろ紹介して行こうと思っています!


※補足
ドット = ビットマップイメージ
ベジェ曲線 = ベクターイメージ